後天的味覚

  特別、ワインというのは食と同じように各々の先天性による元来の体質、後天的な食生活によって出来き上がる味覚と性格、これらの要素によりワインを【香り・飲み味わい・感じ・浸る】そして【楽しむ・受けいれる】というざまざまな感覚・感受性の幅が人により違い、一人一人の人生の経緯により大きく変わってくると思っています。

後天的に出来上がる味覚というのは自身の体験から変えることが出来ると言えます。ある程度大人になってからでも可能です。30代までであれば変えやすく、実際僕自身も30歳から変わりました。40,50代を超えてきても十分に変えることは可能であると思いますが歳を重ねるごとに積み重なって形成された自分の味覚を変化させるのは難しくなるはずです。そして多くの人の場合、味覚・体質同様に4,50年かけて出来上がった性格により意識や考えを変えることや、新しい物事を受け入れ難くなるため若い方に比べると変えることは大変かもしれません。また意識的変化ではなく歳を重ねるごとに加齢などによる様々なことが要因となり体質が変化していく人も多くいるでしょう。


味覚は育ってきた環境により違うので個人個人は勿論のこと、当然国も違えば味覚も違います。


フランス人にはフランス人の味覚があり、日本人には日本人の味覚があります。

例えばフランスに旅行に行った際、日本ではフランス料理を美味しく食べていたのに実際フランスに行ったら美味しく感じなかったと言う話は何度も耳にしたことがあります。なぜなら、日本では多少なりとも日本人の舌に合うように味付けなどが意識されていることがありますし、調理法だけフランスで、味わい・味付けは日本人そのものであったりするからです。更に、同じ国の中でも地域により味覚には大きな違いがあり日本では味付けも違います。そして、更にその中で個人個人の食生活により同じ国民でも味覚に大きな違いが生じてきます。

それは、しょっぱい・甘い・揚げ物・調味料による味付けが濃い強いなど(この場合の濃いは調味の味付けであり料理で出す濃度ではありません)に偏っている人と全く調味料を使わないような真逆の人とではワインの感じかたに違いがはっきりと現れるからです。

日本では味が強い・控えめ、濃い・軽い、と同じ国の中でも地域や家系により味付けが違い味覚も違いますね。真逆の食環境で育った正反対の味覚の2人が同じワインを飲んだとして、それぞれが全く違うワインに感じるくらい何を飲んでも同じような感覚で味わうことはないでしょうし、お互いにどれだけ味わいなどを説明しあって飲んでみても言われたようには感じないかもしれません。

そうなると、ショップやレストランがお客さんの好みのワインを選ばなくてはならないときに一番必要な情報は普段の食生活かもしれません…レストランなどの飲食店で常連さんであれば通ってくれるにつれて、だいたいの好みは分かってくるので選びやすいですが、初めてのお客さんや一度きりのお客さんが多いレストランやワインショップなどでは攻めの接客が出来ない限りお客さんには無難な選択をせざるをえないのかもしれませんね。










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